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オゾンとマイナスイオンが健康づくりに果たす役割について、 わかりやすく情報をお届けしていきます。

オゾンを人工的に作れたら…

人オゾン脱臭の仕組みとは

 オゾンの存在とその役割に気付いた時、誰もが「人工的にオゾンを利用して脱臭できれば我々の生活も自然のように悪臭のない素晴らしいものになる」と考えました。
 しかし、そこには「オゾン濃度の制御」という難しい問題が立ちはだかっていたのです。もちろん、自然界のオゾン濃度以下で使用することができればこんなに理想的な脱臭方法はありません。
 そこで、自然界における空気浄化作用を利用した様々な空気清浄・脱臭を目的にした機器が多く流通するようになりました。
 自然界では、太陽の日射エネルギーの内、紫外線が空気中の酸素分子にエネルギーを与えることにより、もともと酸素原子2個で安定している酸素分子O2の酸素原子Oを分離し、分離された酸素原子Oが周囲の酸素分子O2にくっついてO3(オゾン)となるメカニズムで発生しています。
 しかいオゾンO3は、不安定な物質であり、O2に戻ろうとする力が強く、すぐに酸素原子Oを放出してしまいます。
 この放出された酸素原子が悪臭の元や有害物質の原子にくっつくことによる酸化分解作用により、脱臭や悪性物質が分解されるのです。そして酸化分解反応に消費されない酸素原子Oは酸素原子同士結合し酸素分子O2になり安定します。

人工的なオゾン脱臭の仕組みと問題点

 また、マイナスイオンに代表される空気イオンも太陽光に含まれる遠赤外線の作用で生成されています。マイナスイオンは遠赤外線の波長が空気中の水分子にエネルギーを与えることにより、より細かな水分子クラスターとなり、マイナスイオンが生成されます。マイナスイオンは人体に悪影響を及ぼす空気中に浮遊している塵埃の除去、活性酸素等のストレス物資を中和還元し、リラクゼーション効果をもたらします。
 その他自然界では、落雷(稲妻)等の空気中の放電(電離分解)によっても、オゾンや空気イオンが生成されます。
 こうした仕組みを人工的に再現してオゾンやマイナスイオンを生成するのですが、ここには安全上注意すべき課題があります。
 自然界でのオゾン発生同様、紫外線ランプの紫外線によりオゾンを生成する場合の課題としては、充分なエネルギーが得られず、極微量のオゾンの生成しかできません。紫外線ランプを使った殺菌・除菌装置は、オゾンの活用というよりは主に紫外線殺菌を行っているという事になります。又、紫外線ランプの紫外線を直視すると、視力低下、眼球や網膜を損傷する危険性も伴いますので注意が必要です。
 放電方式によるオゾン生成の場合、原料となる酸素を精製された純粋な酸素O2を酸素ボンベ(タンク)などから供給して生成する場合を除き、空気を原料に生成する場合、空気の主成分である窒素(地球の大気は窒素が約78%、酸素が約21%、その他の成分が約1%)が酸化してしまい人体に有害な窒素酸化物(NOx)が副産物として生成されます。
 また、放電エネルギーが過大であると、大量の窒素酸化物と共に、人体にも影響を及ぼすほどの高濃度オゾンとなり、肺気腫などの障害をもたらす危険性も有ります。
 強力な効果のあるオゾン脱臭ですが、人工的に実現しようとすると、こうした問題点があるのです。

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